ヤマシャクヤクの栽培

「1年間の管理」

春先には寒い冬から目が覚めて発芽が始まります。芽は最初小さく展開しますが、暖かくなるにつれてどんどんと成長して大きく広がります。芽出しが始まったら直射日光は禁物です。開花までは朝にたっぷりと潅水して、ほんのり陽を遮る程度の遮光率20%程度の優しい明るさでゆったりと花を咲かせてあげましょう。斑入り個体も柔らかい明るさの中で展開すると冴えた良い芸を見せてくれます。花は3月末から4月まで咲きますがほぼ3~5日程度で花が散り始めます。花後は受粉していればタネが出来ますが、ヤマシャクヤクは結実までには3~4か月かかりかなりの体力を使いますので、特にタネ蒔く予定が無ければ花を切除します。この頃には葉が展開しきるので木漏れ日程度を陽が採れるゆるく風の流れる場所に移して管理をします。葉がしっかりと固まるまでは毎日たっぷりと水をかけて葉の伸長を促します。花も終わり葉が固まったら置き肥(お礼肥え)をして2週間に1回の割合で液肥を与えて肥培に努めます。ゴールデンウィークも過ぎる頃には日射しも強くなり黄斑入りの強い個体などは葉が焼け始める時期でもあります。この頃からは遮光率50%から日当たりの良い場所では75%くらいの遮光として夏を迎えます。

少し涼しい林床の斜面に生えるヤマシャクヤクたちにとっては都会地の暑い夏は少し過酷です。どうしても葉の傷みやすいこの時期ですが、栽培の可否は如何に葉を長く保つことができるかにかかっているのです。この時期の置き場はまず遮光率75%前後で管理して葉焼けを防ぎます。ただし寒冷紗で囲ってしまうと風の通りが悪くなります。ヤマシャクヤクは風の通りが悪くなるとすぐにうどん粉病を発生させて葉や株を傷めますので、上からの日射しは極力抑えられて四方からは常に風が通る環境を好みます。風の向きを考えて涼しい環境づくりを心掛けてください。夏も終わりの頃になるとヤマシャクヤクたちは既に休眠体制に入ります。地下部の活動はほとんど止まっていますので、地上部が枯れるまでは静かに夏を過ごさせてあげましょう。

秋に入るとヤマシャクヤクたちは次々と休眠に入ります。地上部が枯れたら植え替えの季節です。植え替えは通常のシャクヤクと同じく秋の彼岸前後から10月までが最適です。この頃は最も活動が鈍く、細根もあまり多くありません。この時が植え替えのチャンスです。株を分けるのもこの時期が良いでしょう。植え替えが終わったら一度たっぷりと潅水して用土を落ち着かせます。その後は日陰の涼しい環境で管理すると2週間後には細根を出して活動を始めます。この時期に置き肥をするととても効果的です。ヤマシャクヤクの生育サイクルは宿根草ですが球根植物に近いものがあり、海外ではバルブ(球根)として扱われていることもあります。すなわち秋はヤマシャクヤクの活動には重要な時期でもあるのです。

一見休眠しているように感じるヤマシャクヤクたちは地下部ではとても活発に活動しています。秋の置き肥はこの時期に大きく効果を現します。既に細根はかなりの量で鉢の中に広がり始めています。芽もどんどん膨らんで年が明ける頃から地上に芽を現わすほどに大きく成長を始めています。3月の声を聞くころには芽の先端も割れていよいよ発芽が始まります。この時期に強い凍結に遭うとせっかくの芽が傷みますので毎日の朝の最低気温には注意してください。

「ヤマシャクヤクの植え替え」
ヤマシャクヤクの植え替えは原則的には通常のシャクヤクの植え替え時期と同様で、基本的には秋の彼岸前後から遅くても11月いっぱいには終了したいものです。夏が過ぎて葉の枯れ始めたころのヤマシャクヤクはひげ根も少なく、根茎も多少夏の痛みが見られることがあり植え替えの適期です。この時期の植え替えが最も安全で、特に株を分ける場合はお勧めです。斑入りなどは斑の良くわかる成長期に株分けをしたいものですが春の株分けは苗を傷めやすくあまりお勧めしません。ただし、実生苗や他から購入したもので植え方に安心できないものは、葉の成長が終わり葉も固まり株の仕上がったものは株分けをせずそのまま植え替える程度なら春の植え替えも可能で、場合によってはその方が後の成長の良いものもあります。

用土を作ろう…
植え替えの前に用土を配合します。ヤマシャクヤクは落ち葉の多い比較的越えたざれ場の様なゴロゴロとした斜面に自生しています。関東でしたら少し硬質の赤玉土を主体に崩れにくい鹿沼土や日光砂を各等量程度の配合が良く、さらに排水を考えて軽石砂の小粒を1割ほど混入すると良いでしょう。時期によってはひげ根が多く根に用土が入り難い植物なのであまり粗い用土では管理し難いものです。どちらの用土も小粒に少し鹿沼土の中粒を混入する程度のものが好ましく崩れにくい硬質のものを選ぶと良いでしょう。凍結などで用土が粉になりやすいので排水予防のために軽石砂の小粒を1割ほど混入します。配合した用土を均等に混ぜたら微塵を抜いて軽く水をかけて用土をサラリと湿らせて置くと使いやすいものです。

鉢を選ぼう…
植え込む鉢を選びます。
まず鉢の大きさは根茎の大きさより1回りか2回り大きめのものが良く、地下茎が大きくひげ根も良く出るので少し深めのものを利用します。1芽で4.0号鉢から6.0号鉢、3芽で6.0号鉢から8.0号鉢程度が理想で、地下茎は太く横に広がり地下も長く伸びるので鉢の形状選びが難しいかもしれません。水を好みますので極端に乾きやすいテラコッタや、硬焼きや磁器で出来た水はけの悪いものは控えます。駄温鉢や焼き締めの鉢等が使いやすいもので、釉薬のかかったものは多湿になり易く、素焼きのものでは乾きすぎますのでその場合は用土や潅水に工夫をして栽培します。プラ鉢などでも良く出来るのですが小苗の場合は別として、観賞価値のとても高い草姿を持つヤマシャクヤクは出来れば鑑賞鉢に植えてその草姿や風情を楽しみながら栽培したいものです。花や斑柄あった鉢選びはとても楽しい作業です。

植え込み・植え替えをしてみよう…
ヤマシャクヤクの植え替えは鉢が大きく株も大きいので意外に大変な作業です。最初に植え替えたい鉢植えを用意します。鉢から抜いて古土を全部落として地下茎と根の状態にします。秋の彼岸前後でしたら株元についている来年の芽はまだあまり大きく成長していません。地下茎も新根が動き始めているところで古根は落ちている場合がしばしばです。まず植えこむ鉢を用意したら鉢底に防虫網(サナ)を入れて1/5程度にゴロを入れます。この時にゴロを入れすぎると予想以上に地下茎が伸びていて鉢に入らないことがありますので慎重に鉢の深さとゴロのバランスを計算します。ゴロを入れたら軽く元肥を数粒入れておくと効果的です。次にほんの少し培養土を足したら地下茎と芽の位置を合わせて株を植え込み培養土を半分程度入れます。その後に株の周りに元肥を少し入れて菜箸などで地下茎や根の隙間に用土や元肥をすき込みます。こうして株が安定したら最後に芽の先端が隠れる程度まで培養土を入れて植え込みは完了です。春に植えこむ場合は開花株なら花後に、苗なら葉が固まってしっかりしたころに植え替えが可能です。この場合は鉢からそっと抜いたら地下茎や根をあまり傷めないように古土を落とします。後の植え込みは秋と同様で、やはり元肥を入れて植えこむと効果的です。春の植え替えの場合は絶対に株分けは控えます。春に株を分けますと地下茎の損傷が激しく成長期で細胞が動いている時期なのでうまく手当てしても傷みが入り作落ちは確実で、ひどい時には枯れてしまうこともしばしばあります。春の植え替え時は絶対に株分けしないように注意してください。余談ですが、時々春に入手するときに春の株分け苗が売られていることがあります。斑入りなどの高価な品物は春の株分け品は特に傷みがひどいのでご購入の際はぜひそのあたりも注意して入手されることをお勧めします。

「水やりの仕方」
水やりはヤマシャクヤク栽培の成否に大きなポイントを占めています。愛好家の間では意外にも粗目の用土で乾かして栽培している方が多く見受けられますが、個人的にはヤマシャクヤクは水が好きだと考えています。特に芽出しから開花までの間の水切れは株の成長を阻害して小さく纏まり易く、ゆったりとしたヤマシャクヤク独特の風情が損なわれます。成長期には毎朝たっぷりの潅水で株をゆったりと成長させてあげましょう。葉が固まり夏になると都会地ではヤマシャクヤクたちには少し暑さを感じる環境になり休眠体制に入ります。潅水は夕方として、毎日の潅水ではなく鉢の表面が乾いたら潅水します。秋になり休眠が始まります。植え替えの後1週間程度は毎日の潅水として用土を安定させます。この時期から芽出し前までは地下の芽は成長を始めて新しいひげ根も伸び始めているので、あとは鉢の表面が乾いたら潅水する程度とし極端な乾燥は防ぎます。

「肥料を与える」
一口に言ってヤマシャクヤクはとても肥料の好きな植物です。ただでさえ植物体が大きいので鉢植えの場合土の中の微要素はあっという間に食べつくしてしまいます。したがって肥培はヤマシャクヤクの栽培においてはとても重要な役割を示しています。そのために植え込みの際は必ず元肥を入れます。置き肥や液肥も大切な作業です。まずは秋の植え替え後の置き肥です。何度も書きますがヤマシャクヤクは球根植物と同様に秋の植え替え後から地下部の活動を始めます。したがって植えこんで根土が落ち着く2週間後くらいから冬の間が置き肥の適期です。山野草や東洋ラン用の置き肥を植えこんで2週間後に与えます。与える基準は4.0寸鉢で2~3個、6号鉢で4~5個が目安です。春の開花後にはお礼肥が効果的です。この時は冬に置いた肥料を外して新しく置き肥をします。液肥はヤマシャクヤクの生育サイクルに合わせると効果的です。花後には次の年の芽の形成に入りますので夏までの間はリン酸系の肥料(開花促進など)を多めに与えて夏から秋までにしっかりとした次年の花芽を作ります。秋の上この後は2週間に1回くらい配合割合の良い総合的な一般液肥を与えるとより効果的です。

「病害虫」
環境が合わないと一番の大敵はうどん粉病です。葉の成長が止まったころから風通しが悪く蒸れやすいハウスなどの栽培環境下ではうどん粉病の発生が見られます。葉や茎に白い粉やカビの様なものが見られたら要注意です。うどん粉病を見つけたら殺菌剤などで消毒しますが、この時に注意するべき点は殺菌剤を植物に展着させるための展着剤をヤマシャクヤクは極端に嫌うという事です。この展着剤が葉の表や裏に付着するとヤマシャクヤク葉が茶色く枯れ込んで後の成長に大きなダメージを与えることが良くあります。せっかくうどん粉病を退治するのに蒔いた殺菌剤で更にダメージを受けたのでは本末転倒です。殺菌剤を使用する際は絶対に展着剤を混ぜないよう心がけます。市販のスプレー式の殺菌剤などもほぼ展着剤が含まれていますので使用は避けた方が良いでしょう。そもそもうどん粉病が出る環境自体がヤマシャクヤクにはあっていないと考えてみてください。芽出しの頃から開花期までにはイモムシやヨトウムシ、ハマキムシなどの食害を受けます。また、芽出し直後にはネズミの食害にも注意してください。小さな苗では冬の間にナメクジに芽を食害される事もあります。地植えの株や山出し直後の株はシンクイムシやコウモリガの幼虫等による根茎の食害にも注意してください。1~2年をかけて根茎の中をすっかり食べられてしまう事もありますので注意が必要です。斑入りの個体などは小葉の固まったころから葉焼けに注意が必要です。特に黄色の刷け込み斑や白斑のものは注意してください。

「株分けで殖やそう」
ヤマシャクヤクの株分けは秋の植え替え時に行います。1年間の管理を見て戴くと理解しやすいと思いますが、ヤマシャクヤクの生育サイクルは早春球根植物たちのそれとよく似ています。要は春に芽を出して花が咲くと既に次年の芽の形成に入ります。芽の形成は夏までには済ませて夏になると地上部や根の成長を止めて休眠の態勢に入ります。秋の初めから彼岸ごろからは葉を落としてひげ根を枯らして休眠体制に入ります。この時期が最も植え替えや株分けに最適なのです。先にも期しましたが春の植え替えは可能ですが、成長期なので脱水や株の傷みを起こしやすく時期的に株分けには向いていません。したがって株を分けるのは秋の休眠期に行う方が殆ど失敗はありません。ヤマシャクヤクの株分けはなかなかの大仕事です。特に大きな株では根茎が縦横無尽に入り組んでいて、分ける場所を間違えると芽だけが取れて根茎がほとんどついていないという事もしばしばあります。まずは根株をよく水洗いして用土を洗い流して、芽と入り組んだ根茎の流れをつかみます。うまく芽の下に根茎が着く位置を見つけたら切れの良いナイフなどで根茎を切断します。ハサミでの切断は根茎の組織を破壊するので株を切断するときは必ず切れの良いナイフかカッターを利用して切断面を綺麗にカットします。株分けは芽の大きさや数と根茎の量が比例するように無理をせずに分けられる場所で株分けします。切断したら切断面にベンレートやトップジンなどの殺菌剤を塗って根茎の傷みを防ぎます。後は分けた株の大きさによって鉢を選んで植え込みの手順に準じます。

「タネを蒔いてみよう」
花後に果実が出来たら蒔いてみると実生で苗を殖やす事も出来ます。ただし、ヤマシャクヤクは4月に咲いても大きな果実が完成するのに夏まで100日以上かかるので結実はかなり株を弱らせます。本当に欲しいタネ以外の果実は花後に摘まむか切除した方が親株を傷めずに毎年安定した成長を促せます。果実は成長の度合いにもよりますが、大きなものでは3~4㎝ほどのふっくらとした果実を1花で3つほど着けます。当初緑の果実は夏になると褐色になり次第に中心から裂けるようにしてタネをのぞかせます。ほとんどの場合タネは全て実らずに赤いものと黒いものに分かれています。赤いものは未完熟種子、黒いものは完熟種子なので、黒いタネのみを選んで蒔きます。タネは果実がはじけたらなるべく早めに採取してすぐに採り蒔きします。採取が遅れるとタネの表皮が乾いて発芽が1年遅れますのでなるべく早めに採取して播種してください。良く出来た果実は1花で20粒くらい採取できますのですぐに採り蒔きします。基本は植え込み用土でプラ鉢などに蒔きますが、培養土の中ほどに元肥を少し入れておくと発芽後の成長も早いものです。その後培養土を3/4ほど入れたらタネを置いて、1~2㎝ほど覆土をして完成です。タネは早くても発芽は翌春になるので、表面に苔など生やさぬ様に日陰で管理して発芽を待ちます。多くの場合ヤマシャクヤクのタネは1年目ですべての発芽が見られないものがあります。発芽しなかったからと言ってすぐに蒔き床を捨てるのではなく、1~2年ほど放置しておくとゆっくりと発芽してくることもしばしばです。蒔き床は傷めることなく、2年程度は保存しておいてください。

「斑入り個体の実生」
ヤマシャクヤクの場合せっかく斑入りのタネをまいたのに発芽したら全然斑が確認できずに青葉のものばかりと言う事が良くあります。実はヤマシャクヤクの斑入りは発芽してすぐに斑の出ないものが数多くあります。特に「西祖谷産白三光斑」や「小島峠系」と呼ばれるものなどはその傾向が顕著です。中には開花するまで斑が出てこなかったという例もあります。発芽してすぐに斑が出ないからと言ってあきらめないでください。ヤマシャクヤクの斑入りは2~3年たってやっと成熟して斑を現わすものが数多くあります。場所の許す限り少し余裕を見て数年作り込んでみることもお勧めです。

タネの色々

「花の構造と交配の仕方」
ヤマシャクヤクのオシベとメシベは比較的わかりやすい構造になっています。ただし、ヤマシャクヤクは花粉の量が多いので個体によっては開くと同時に花粉が吹いてしまっている個体も多く、セルフの場合は問題ないですが、交配としてメス親として利用する花の場合は開花直後か開花前にオシベを切除しておくことをお勧めします。交配する前には必ずルーペなどでメシベ部をチェックして花粉がついていないかどうかを確認します。少しでも花粉がついていたらその花は交配には利用しない方が無難です。花粉は綿棒などで雄蕊から花粉をとってメシベに交配しますが、良く花弁に花粉が落ちているのでそれらを綿棒や指で掬い取って交配に利用するのも得策です。


「斑入りの遺伝の形質」
ヤマシャクヤク斑入りを交配する場合、斑入りの形質が遺伝しやすいタイプとそうではないタイプがあります。構造としてはほかの双子葉植物に準じている部分も多く、キメラ斑と呼ばれる形質のものはなるべく葉の全面に満遍なく斑の散っている個体を利用したいものです。遺伝子により発生する斑は劣勢ホモの性質が強くF1からの分離で発生するものが多くあります。これらそれぞれの斑の形質を知ることによって次になる斑入り作出への近道となると考えます。ただし、ヤマシャクヤクの多くは実生1年~3年くらいの間は斑を現わさないものも多く、数年はじっと我慢して栽培しなくては結果が出ないものも多くあります。

セルフ及び1回の交配で斑が遺伝する可能性のあるもの(セルフ及び母体優性で遺伝するもの)

セルフでは遺伝するが交配では2回以降や戻し交配で形質が遺伝すると思われるもの
(母体優性及び劣性ホモ)

「斑の変化」
個々では実生1年目からの斑の変化を見てみます。斑入り葉の実生は1年目ではとても地味か場合によっては青葉のものもあります。発芽した斑入りの実生が期待にそぐわず斑が今一つとか全くの青葉だったという事で破棄してしまう人もいますが、3年くらいはあきらめずに作っていると突然綺麗な斑入りになる個体もあります。じっくり作り込んで毎年の作による斑の変化を楽しむのもヤマシャクヤクの実生の楽しみの一つです。1年目に青葉だったものが2~3年で次第に斑が鮮やかになる個体もあり、驚くほどに変化する様を見るとワクワクしてきます。この斑の変化を実感してみてください。

「八重咲き個体の実生」
八重咲きのヤマシャクヤクもなかなか癖のある一群です。親がかなり良い八重咲きの花のタネをまいても、漸く数年作り込んで花が咲くと一重だったという事が良くあります。これも斑入りと同様にすぐにあきらめないでください。ヘテロ形質を持つ八重咲きの多くは余程株に勢いが出ないと八重化しにくいものが見られます。実生からようやく咲いた花にいきなり八重咲きが咲く事はあまり多くはありません。やはり初花後に肥培して作り込んでみて初めて八重咲きが遺伝しているかどうかが確認できるものです。これまでの経験として初花時に花弁の大きさがばらばらで深い切れ込みが多数ある花弁やつぼみの下に大きな苞葉が出るもの、ガクの多い花は弁化する可能性を秘めているように感じます。八重咲きも斑入り同様に初花後2~3年は作り込んでみるのがお勧めです。