山野草、高山植物、雪割草、野生ラン、お茶花、下草などの生産、販売、育種の専門ナーセリーです。

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栽培基礎講座

ここでは、栽培に関する基本的な部分の復習をしてみたいと思います。
ここに記したものは全て当園での事項です。
そうでなくてはならないという事ではありません。
あくまでも困ったときの参考になれば幸いです。


「植物の選び方」

1.環境にあった植物を探そう
「山草栽培を始めたいのだか、いったい何から始めたらよいか?」という話を耳にします。一口に山野草といってもその種類は様々です。植物を選ぶときは自分の好みの花を選ぶというのは当たり前ですが、その前にまず、自分の家の栽培環境をチェックして見ましょう。日あたりが良いか・日が余り当たらないか・日陰か・風通しが良いか・悪いか等、その環境にあった植物を探す事が栽培名人になる近道です。

2.同じ仲間を集めてみよう
リンドウが好き」「シャジンが好き」「サクラソウが好き」といった具合に山野草を栽培しているとおのずと自分の好みが見えてきます。この仲間が気に入ったというものが見つかったら、どんどんその種類の植物を集めて見ましょう。それらの植物について色々なものを調べて見ることによって、新しい発見が必ず見つかります。同じ仲間の植物でも種類によって栽培環境は様々ですから。

3.正しい植物を入手しよう
山野草の仲間の多くは日本の植物ですが、中には和名のついた海外の植物も多く見られます。また、最近の生産者の不勉強さもあるのでしょうが、本来の植物とは異なった名前で違う植物が販売されているのも多く見られます。山野草を入手するときは少なくとも何科で、どこに生えているものなのかは確認してください。海外のものなどは学名を聞いてみるのも良いでしょう。ある程度きちんとした業者さんならちゃんと答えてくれるはずです。正しい知識を知ることが、植物を育てる第一歩なのです。

「用土について」

1.用土の性質について
「高山植物は硬い用土で作る」「野草は柔らかい用土で」とよく言われますが本当にそうでしょうか?用土には蝦夷砂・富士砂・朝明砂・十和田砂・桐生砂・軽石砂の様に多坑質で硬い用土と、鹿沼土・赤玉土の様に水分を含みやすい柔らかい用土、ピートモスやミズゴケの様に保水性に優れた用土があります。栽培にはこれらの用土を単独で使用することは余り好ましくありません。
「高山植物は硬い用土で作る」と言うととても水捌けと通気に富んで良い様に思われますが、実は硬質の用土は水を弾いてしまうので、硬質用土単用では鉢の中が停滞水だらけになってしまい思いの外多湿になりやすくなります。この場合、多少でも軟質の用土を混入することによって余分な停滞水を吸収して、表土から空気中に蒸発させてくれるのです。「野草は柔らかい用土で」と言っても柔らかい用土単用では土の傷みが早く、また、冬の凍結などによって用土が粉々の微塵になりすぐに根詰まりを起こしたり、表土が固まって水が入っていかなくなってしまいます。この場合、硬質の用土を混ぜることによって通気と排水が保てるのです。
用土はその植物にあった配合をすることによって植物の成長も大きく変化してきます。高山植物には硬質2対軟質1、野草には軟質2対硬質1を基本として考え、工夫すると良いでしょう。

2.用土の性質について
植物の多くはその自生環境によって、生えている土質が大きく異なります。たとえば同じ仲間の植物でも、あるものは酸性土に、あるものはアルカリ土にと種類によりその土質は様々です。特に塩基性岩や蛇紋岩・カンラン岩等に生える植物や、欧州アルプス、ロッキー山脈などの海外の植物は酸性や弱酸性・弱アルカリ性等生育地によって様々なものです。当然、弱アルカリの植物を酸性土で植えたり、酸性の植物をアルカリ土で植えたのでは生育が良いはずはありません。必ずその植物の生育環境を確認して、植物にあった用土を選んであげましょう。ちなみに赤玉土や桐生砂は弱酸性、鹿沼土や日向土はやや中性寄り、寒水石等はアルカリですので、これらを微妙に調節し配合すると良いでしょう。特に、リンドウ・サクラソウ・キンポウゲの仲間等は種類によって様々です。

3.用土は身近なものを
植物を販売しているとよく「いい蝦夷砂がほしい」とか「現地の富士砂がほしい」等と聞かれます。確かに質の良い用土は大切なものですが、その様な用土は価格も高く、常に安定した供給が望めません。やはり地元で身近に手に入る用土を工夫して使用したい方が、万が一の対応にもあわてる必要はありません。事故で鉢が倒れたり、急な植え替えを必要とするときなどは直ぐに手に入らない用土を使うよりはずっと早く対応も可能です。
色々試してみて身近なもので自分にあった用土を探してみるのも大切な作業のひとつでしょう。

「鉢について」

1.鉢の選び方
鉢にも様々なものがあり、特に山野草の場合は鉢の選び方から考えることが作柄を左右する場合があります。鉢には釉の無い素焼き鉢や、一般的な駄温鉢、やや鑑賞的な釉のかかった堅焼きの鉢等があり、また、山野草専門の見た目の良い鑑賞鉢等があります。当然、素焼き鉢は非常に乾きやすく水捌けの良いもので、堅焼きの鉢は水保ちがよく乾きにくいもので、駄温鉢はその中間と言ったところでしょうか。
最初は全ての植物に応用できる駄温鉢が最も使いやすくお勧めです。植える植物によって根の腐りやすいもの等は鉢の底をハンマーなどで軽く叩いて大きくして、水捌けの良い状況に加工してあげると良いでしょう。
見た目が良いので直ぐに鑑賞鉢に植えたくなるものですが、ある程度、植物や鉢の癖を理解してからのほうが良い作品に仕上がるでしょう。

2.停滞水について
鉢に植物を植え込んで水をかけると、鉢底から水が捌けた後に必ず鉢の中の底部に水が残ります。これを停滞水といいます。この停滞水、実は深鉢でも浅鉢でもほとんど水位は変りません。したがって、深い鉢ほど停滞水は下にあり、浅い鉢ほど上の部分まで残っていることになります。
したがって、根茎の腐りやすい植物や、根の大きく下に伸びる植物等は深鉢が好ましく、這うように横に広がる植物や水を好む植物には浅鉢が作りやすいかもしれません。
鉢は、前記焼き方の種類と、鉢の形状の両方を考えた上で選択すると使いやすいでしょう。

「置き場について」

1.日向の植物は
日向の植物は日向で育てます。これは当たり前のことですが、日向で風を好む植物は一年を通して日向で管理すればよいでしょう。夏の暑い日などは寒冷紗等で半日陰にしてあげても良いのですが、むしろ風の通りが良い環境でしたら一年中直射日光でも良く出来るものです。
日向の植物で夏など葉焼けを起こしやすい植物は、夏に寒冷紗等で50㌫位の遮光として直射日光を防ぐと良いでしょう。ただし、余り寒冷紗を覆い過ぎると風通しも悪くなり植物が蒸れる原因となります。葉焼けのしないぎりぎりの遮光を考えましょう。
東欧や中央アジア、ロッキーなどの植物の中には雨を嫌うものがあります。これらの植物は棚に波板等で屋根をつけるだけで思いの外うまく成長してくれます。目安としては、花が上向きに咲くものをチェックするとわかりやすいかも知れません。

2.半日陰の植物は
主に落葉樹林や明るい日陰に生える植物たちは、比較的柔らかい日を好み、西日を嫌うものがほとんどです。これらの植物は芽出しの頃は意外に陽を好むもので、4月も中頃までは日に当てたほうが好ましく、芽出しの頃から日陰に置くとひょろひょろと間延びしやすいものです。山に木が茂る頃のゴールデンウィーク前頃より寒冷紗等で30㌫~50㌫位の遮光として柔らかい木漏れ日を再現してあげましよう。夏は遮光率を50㌫~75㌫のとしてあげますが、やはり覆いすぎて風を止めるのは致命傷ですので、必ず通風の良い日陰を作ってあげます。

3.日陰の植物は
主に深い落葉林床や常緑・針葉樹林下に生える植物たちは、一年中直射日光の当たらない環境を好みますが、種類によっては、芽出しの頃は朝日程度は当てても良いものもあります。この仲間には直射日光に敏感で直ぐに葉の焼けるものもあり、特に常緑樹の林床に生えるものはそういったものが多いようです。やはり全く風がないと蒸れにより痛みますが、強い風が吹いても痛みやすいものが多くあります。柔らかい陽に柔らかい風、これがこの仲間を栽培するためのポイントです。

「冬の置き場」

1.寒さに当てるもの
高山植物の多くや一部の野草の中には冬に休眠芽を作って、完全に地上部を落としてしまうものが多くあります。このような植物の多くは特に冬囲いをしなくても、棚の上に置いたままで十分に冬越しをするものです。むしろ、早い時期にフレームや冬囲いの中に取り入れたほうが時には高温になり、それにより休眠芽の形成が中途半端になりやすく、春の芽だしが痩せてしまう事もあります。ただし、棚上の鉢はとても乾燥しやすいものですので、強い凍結に注意しながら、鉢の渇きを感じたら早めの潅水を心掛けましょう。

2.風を避けるもの
地上部を完全に落としても休眠芽を地上に露出するタイプの植物は、冬の乾いた風により休眠芽を痛めてしまう事がしばしばあります。せっかくうまく太った冬芽が乾いた風や強い凍結により外皮から痛んでしまうと、時には冬芽全体が腐ってしまい、春になるとポロリと取れてしまう事がしばしばあります。このような植物は棚下や冬囲いの、風の直接当たらない日陰の場所で管理をして春までゆっくりと休眠をさせてあげましょう。

3.フレームや冬囲いに取り入れるもの
冬芽を作らず常緑のものやロゼットで冬越しをするもの、冬芽を作っても葉を残すもの等は、乾燥や強い凍結を防ぐためにフレームや冬囲いに取り込みます。フレームや冬囲いは明るくせずに寒冷紗などで覆って、昼間は完全に密閉するものではなく、一部を開放して温度の上昇を防ぎ、夜間は密閉して霜や強い凍結を防ぎます。

4.矮小潅木類の冬越し
高山や亜高山の小型の潅木類の多くは冬には雪の下で冬越しをするものです。その様な植物(コケモモ、ツガザクラ、チングルマ、イワカガミ等)は冬の乾いた風を大変に嫌うもので、枝が乾くと芽が死んで春には枯れてしまうことが多くあります。これらの植物もフレームや冬囲いに取り入れるとよいでしょう。又、露出した枝の部分をミズゴケ等で包んで紐で縛り、棚の上で管理をしても枝を乾かさずに冬を越すことが可能です。

5.冬に成長するもの
夏眠性の球根植物や冬にも成長する植物はフレームなどに取り入れます。この場合、日陰のフレームでは間延びしてだらしが無い草姿になってしまいます。やはり日あたりの良い明るいフレーム等で管理したいものですが、この場合は密閉せずに、昼間は開放できる状態にして蒸れによる間延びと昼夜の温度差に気を配ります。凍結を嫌うものは小さな温風器やストーブなどを用意して、夜間の凍結を防ぎましょう。もしこれらの設備が準備できない場合は、家の中の明るい廊下や窓辺で冬の間は管理をして、昼間は窓を開けて、夜は閉めて凍結から守ります。冬に成長する野生ラン等はカーテン越しの室内で管理をすると良いでしょう。

「潅水について」

1.春と秋の潅水
潅水は晴れているときは通常一日一回、朝にたっぷりと与えます。潅水は鉢底から水が抜けるくらいたっぷりと与え、その後は、鉢の表面が乾き始めるのを待ってそれを繰り返します。鉢の乾き具合は置き場や植え込みの状態、温度、湿度、天候などによって一鉢一鉢が大きく異なります。それぞれの鉢の乾き具合に気を配って、全てを一度に潅水するのでは無く、一鉢一鉢丁寧に与えましょう。

2.夏の潅水
夏の潅水は一年で最も気を使うときです。潅水は、朝に水をかけると昼間には鉢の中の停滞水が高温となり根腐れの原因となります。夏は出来る限り陽の落ちる夕方以降の潅水として、翌日までには停滞水を残さぬような潅水を心がけると良いでしょう。梅雨の間は毎日が多湿状態です。特に多湿を嫌うものは鉢の表面が乾いたらもう一日置いてから潅水する程度でちょうど良いものもあります。又、特に高温多湿を嫌う植物は頭から潅水せずに、一鉢一鉢丁寧に鉢元から水差し等で潅水をすると良いでしょう。特に腐りやすい高山植物などは、猛暑の頃も一鉢一鉢水差しで掛けて上げると良い結果を生むものです。数が多くて一度にたっぷり潅水する場合は、高温多湿に弱い植物は表面をさっと潅水する程度にとどめて、乾かし気味で管理したほうが良いものもあります。いずれにしても夏の潅水は全体を一度に潅水する「面」の潅水よりも、一鉢一鉢確認しながら潅水する「点」の潅水のほうが良い結果を生んでくれるでしょう。夏に休眠する球根植物や早春植物は基本的には日陰で軽く湿る程度の潅水としますが、種類によって完全に乾かすものや、多少水分の必要とするもの、通常の潅水でかまわないもの等様々ですので、一つ一つの種類をよく熟知して、それぞれにあった潅水を心がけます。

3.冬の潅水
冬の潅水で特に心配なのは寒さによる凍結です。当然、夜間に凍りやすい夕方の潅水は控えて、全ての潅水は朝から午前中までとします。冬は意外に鉢の表面や中が乾きますので、基本的には一日一回の朝の潅水とします。風の強い乾いた日等はせっかくの冬芽が乾いて枯れる事がありますので、こまめに鉢の表面をさっと潅水してあげるのもやさしさです。柔らかい冬芽の植物は凍結と凍解を繰り返すと芽が腐ってしまうものもあります。このような植物は日陰において、凍結した鉢が極端に高温にならないように温度の上がらないところで管理をして、軽く湿っている程度の状態を保ちます。また、鉢の上に雪が積もった時等は、潅水をしてあればそのままでよいのですが、乾いた鉢の上に雪が積もっていたら乾燥と脱水の恐れがあります。乾いた状態で凍結すると直ぐに脱水して根腐れの原因になりますので、この場合は雪の上からたっぷりと潅水して雪を溶かして鉢に水を与えましょう。フレームやハウスに取り入れたものは意外に乾きにくいものです。常に多湿な状態とせずに、乾いたらたっぷり与えて又乾くまで待って、乾いてきたらたっぷり与えると言う潅水のリズムを作ると多湿による腐れは免れます。

「施肥について」

1.元肥
多くの植物にとって元肥は効果的なものです。元肥は基本的には植え込みの際に使用します。使用の方法は様々ですが、多くの元肥はひとつの中に断効性と即効性が混合されているものが殆どです。又、大粒のものと小粒のものがありますので、植物によって使い分けが可能です。したがって、元肥だからどれも同じと言う使い方ではなく、丈夫な植物には細かい元肥を用土に混合したり、鉢の底部に大粒のものを数粒配合したりします。根茎の太くなるごぼう根のものやドロップアウトする球根植物等は成長の途中で根茎や球根が元肥にぶつかると傷んで腐ってしまうことがしばしばあります。この場合は植え込んだ周りや上の部分に少しだけ入れると効果的です。夏に暑がったり傷みやすい植物は元肥を鉢底部に入れると夏の頃に肥料の吸収を始めたり根が当たって傷みやすいので、株の周りに元肥を散らして、夏が来るまでに肥料を吸収した状態にしておけば夏には肥料分が無くなっているので傷むことがありません。それでも気になる植物は元肥の混入は避けて置き肥と液肥のみで管理しましょう。

2.置き肥え
置き肥は窒素分の高い油粕が最も有名ですが、最近では燐酸分の多い配合元肥も多く市販されていますのでとてもつかいやすくなりました。元肥は鉢の縁に置くだけで十分に肥培効果のあるものですので、植物の成長に伴って安全な時期を見極めて使用したいものです。肥料の種類によって効果は様々ですが、基本的には置いてから1ヶ月ほどがもっとも有効な期間と思われます。通常は春と秋の二回に置いてあげることによってその効果は絶大でしょう。ただし、植物の成長が早いものはせっかく伸びた葉が元肥にぶつかって痛んだり、夏前に元肥を置くと肥料の強さで植物が傷んだりすることがありますので注意が必要です。又、葉が球根に変化したタイプの球根植物等は、窒素分が多いと小さな球根ばかりが沢山増えてなかなか花が咲かなくなります。この場合は燐酸分の多い元肥が効果的でしょう。元肥の中には有機肥料と化学肥料があります。丈夫な植物は化学肥料(化成肥料)で充分なのですが、夏に暑がるものや柔らかい草姿のものは有機肥料の方が無難と思われます。

3.液肥
液肥は肥料あたりも少なく、成長する過程に基づいて使い分けが出来るととても有効で傷みの少ない肥料です。液肥には通常の平均的な肥料効果を促す「一般総合肥料」と、葉の成長を促す窒素重視の「観葉植物用」、花芽の促進を促す燐酸重視の「開花促進用」等があり、もっとも有効的な使い方は植物一つ一つの特性を理解した上で、これらの肥料を使い分けることです。芽出しの頃は葉の成長を促すために「観葉植物用」を利用して、次第に花芽を分化する頃になったら「開花促進用」に切り替えます。花後は通常の「総合肥料」をこまめに与えることによって、植物の成長にあった有効的な使い分けが可能となります。液肥はそれぞれによって希釈倍率が異なりますが、普通は容器に明記してある倍率で充分です。頻度は主に春と秋に2週間に一回程で充分でしょう。潅水の代わりに「総合肥料」を5000倍程に希釈して春と秋に与えるのもとても効果的です。ただし、毎日繰り返すのは中々大変な作業でもあります。

4.葉面散布
多肥栽培に弱い植物には効果的な方法です。小型のスプレー容器や噴霧器等に規定倍率の更に2倍位薄めた液肥を作って置いて、乾きやすい日に植物全体に満遍なく液肥を噴霧してあげます。小型野生ランやシダ等にはかなり有効的なものです。
ただし、この場合も暑い夏は避けて、春と秋が効果的でしょう。繰り返すことが葉面散布の効果につながります。

「病害虫について」

1.害虫予防
山野草栽培において害虫駆除はとても大切な作業です。主だった害虫は芽出しの頃より発生するアブラムシや小さなアオムシ、ナメクジ、やがてヨトウムシや梅雨の頃よりハダニ・アカダニ、カイガラムシ等、又、腐った古葉がたまってくるとダンゴムシやヤスデの発生、秋になるとバッタの食害等、それだけ掲げてもキリがありません。害虫はその度に駆除をするのは当然ですが、見つけてから駆除をする「点」の管理よりも、見つける前に全てを予防する「面」の管理も重要になってきます。殺虫剤は「総合殺虫剤」のように全ての害虫に効果のあると称するものよりは、アブラムシはアブラムシ、ヨトウムシはヨトウムシ等とそれぞれに効果のある「専用殺虫剤」の方が有効です。特にハダニ等はダニ専用の薬で無いと効果がありません。又、同じ薬を何度もかけても害虫に免疫が出来てしまいますので、異なった薬を各季節に2回ほど噴霧します。特に、芽出しや花前、入梅前、夏過ぎ、休眠前などには色々と予防すれば効果的です。毎月、殺虫剤散布の日を決めて予防するととても効果的かもしれません。殺虫剤は基本的には通常の倍率で使用しますが、キキョウ科やケシ科、アブラナ科のように薬害の出やすいものもありますので、色々と調べたり聞いたりしてから安全なものをお使いください。

2.病気予防

病気は突然やってきます。特に目立つのは芽出しの頃の軟腐病や炭素病、梅雨の頃の立ち枯れ病やべト病、白絹病等ですが、基本的にはそれぞれに効果のある殺菌剤を使用することによってある程度は予防出来るものです。ただし、いずれの病気も気がついた時にはすでに遅く治療は困難で、拡大を予防するのが精一杯です。出来れば習慣として季節の変わり目には予防をするように心掛けましょう。殺菌剤は主だった殺虫剤との混合使用が可能です。ただし、殺ダニ剤の様に混合すると必ず薬害の出るものもありますので、混合使用にあたっても必ずアドバイスを受けてから使用してください。芽だし以後、葉に不規則な色むらを感じたらウイルスの可能性があります。気になるものが見つかったら治療は困難ですので、他への感染を考えたら速めに処分したほうが良いでしょう。球根の植え付け前の消毒も、殺菌剤をつけすぎると後の成長に影響が出ますので、程々の使用が望ましいでしょう。

以上、簡単ですが栽培の参考にお役立ていただければ幸いです