雪割草

早春の日差しを浴びて、色とりどりに咲く雪割草を楽しんでみませんか。

「雪割草を育てよう」
北国の代表的な早春の花雪割草は、雪国の雑木林の急峻な斜面の林床に自生して、落ち葉や雪によって寒い冬から身を守ります。雪解けとともに暖かい日差しを浴びて花を開き、その後、数枚葉をのばして夏以降は雑木林の中でひっそりと涼しくたたずみます。
雪割草(オオミスミソウ)は1つの種類の植物で多くの花色や多くの変化花を咲かせる世界でも珍しいほどにヴァリエーション豊かな常緑宿根草です。江戸のころから親しまれていた植物の一つですが、昭和後期ごろからの園芸的発展は目覚ましく、多くの花色や変異が選別され、次々と交配育種によって新しい花が生まれ、今では日本が世界に誇る植物へと発展しました。
今日の園芸の世界では、雪割草は「自分の手で自分だけの花を造れる植物」としてホビー・プランツとしても人気を高めています。
雪割草を栽培してみませんか。そして、たくさんの自分だけの花を造ってみませんか。
ここでは、そんな様々な雪割草たちをご紹介したいと思います。

「雪割草の栽培」
雪割草の植え込みや栽培にはいくつかのポイントがあります。ここでは簡単ですが、植え込みや置き場、灌水や管理などについて記してみます。

・鉢を選ぼう
植え込みに際してまずは鉢を選びます。鉢は根が長く伸びるので少し深めのものを選びます。また、急峻な斜面に生える植物ですので通気や排水も考慮したいものです。したがって鉢はなるべく少し深めのもので、鉢穴が大きく、あまり釉などかかっていない焼き締め程度のものが使いやすいと考えます。雪割草専用の市販鉢などはそれらの要項を考慮して作られていますので使いやすいものです。山野草用の焼き締め鉢なども使いやすいでしょう。余り肉厚で硬焼きのものや鉢穴の小さなものは避けた方が良いかもしれません。

・用土を選ぼう
培養土も通気と排水の良いものを選びます。小粒のものよりも中粒の用土を主体にした方が根の伸びも良いようです。当園では日光砂の中粒と硬質鹿沼土の中粒を1:1で配合して、そこに軽石砂の小粒を1割程度混ぜたものが使いやすいです。ゴロ土も日光砂と硬質鹿沼土の10㎜前後のもの1:1に軽石砂の中粒を1割程度混ぜると使いやすく用土の違いによる栽培抵抗も少ないものです。
これらの用土が手に入りにくい場合は入手しやすい同じタイプの山砂や川砂を利用してください。

・植え込みと植え替え
植え込みと植え替えの時期は2つのパターンがあります。最も最適なのは秋の彼岸前後の植え替えです。この時期の植え替えは失敗が無くスムーズに行えます。
まず、鉢と培養土を用意したら、鉢に防虫網(サナ)を入れて、ゴロ土を1/4~1/5ほど山形に盛るように入れます。次に植え替えたい株を鉢やポットから抜きます。抜いた株の根を箸やピンセットなどですき込んでまっすぐに伸ばします。伸びた根はばらばらの長さなので植え込みやすいように下から揃う部分で邪魔な根をカットします。根の長さが揃ったら手で根を大きく広げてゴロの上にかぶせるように鉢の中心に株を置きます。
株を置いたら1/2ほど培養土を入れて根の隙間にまんべんなく用土が入るように箸などですき込みます。この時、根が乾かぬように培養土は軽くほんのり湿らせておくと便利です。また、培養土を根にすき込むときに、根の周りに元肥としてマグァンブKの大粒を3~5粒混入しておくとあとの成長にも良いものです。培養土をすき込んで株が安定したら、ネマトーダ(根コブ線虫)防止のバイデートLを少しまぶしておくと効果的です。(病害虫参照)
半分まで植え込みが完了したら雪割草の芽の基部が軽く埋まるくらいまで培養土を入れて株を落ち着かせます。少し箸などですき込んでから、軽く数回鉢底をたたくと株が安定します。安定したら泥跳ね防止や株のぐらつきの防止に表面にゴロ土を一列敷いて完成です。
葉痛みが気になるなら葉受リングをかけてあげるとよいでしょう。
植え込んだら、鉢底から用土の微塵が抜け出るほどにたっぷりと冠水して、数日はたっぷりの水で棚下などの日陰で3日~1週間ほど管理します。暑い時期でしたら少し小清水にしても良いものです。株の萎れが出なければその後は棚に上げて通常の灌水で通常の管理をします。株が少し萎れてきたら葉を何枚か切除して様子を見ていればやがて涼しくなると復活してきます。
春の植え替えの場合は基本は開花期までとします。葉の展開が始まって葉が開いたころは脱水しやすく、植え替えや特に株分けは萎れやすく危険です。花が咲いているときは秋と同様に植え替えが可能です。痛めたくないものは花を切除したり、タネを付けなければ大丈夫です。
栽培していると株が次第に持ち上がってくるので、植え替えは2年に1回を目処に行いたいものです。


・置き場
雪割草は置き場(環境)によって栽培の良否が大きく左右される植物ですので1年間の作場の環境を熟知することが栽培への第1歩です。
雪割草の自生地は雑木林の林床です。雪解けの頃は枯れ枝の中で明るい日差しに包まれて花を開きます。やがて木々の葉が茂ると優しい木漏れ日の中で葉を広げて、葉の固まるころから暗い日陰になり涼しい谷風に冷やされて夏を過ごします。やがて木々は落葉して落ち葉に包まれ、雪をかぶり暖かく冬を越します。この環境を再現できる作場作りを心掛けます。
まず春は暖かい日差しの中で開花します。開花期(2月下旬から3月)は棚の上でたっぷりと陽に当てて開花を促します。ただし、強い凍結や風の強い日などは乾いて傷みやすいので家の中や棚下などで保護してあげてください。
日差しの強い日なども花が焼けたり素直に開かないことがあるので、少し日陰においてあげます。葉の展開が始まるころ(3月下旬から4月)から雑木林では木々の葉が茂り始めます。この頃から寒冷紗50%くらいの日陰に移して大きくゆったりと広がった葉づくりを始めます。
葉が固まるころ(5月)には木々の葉も茂り日陰になります。この頃には棚下か寒冷紗75%くらいにして葉を日差しから守ります。雪割草の葉は1年に1回しか出しません。この時期から少しでも日に当てていると確実に葉焼けなどで葉を痛めますのでご注意ください。
暑い夏(6月から9月)になると葉焼けや蒸れによる株の痛みが心配です。寒冷紗を90%くらいまで落として強い日差しから守ります。ただしその場合、風の流れを作ることも忘れてはなりません。四方を寒冷紗で囲うと風を止めてしまうので、風の流れを計算して寒冷紗をかけてください。棚下などの場合は小さな扇風機なども有効です。暗くて風の流れる環境づくりをします。
秋になると(10月)芽の充実を図ります。少し明るくしたいので寒冷紗を75%に戻して明るい日陰でそのまま開花前まで管理します。
雨は大敵です。特に梅雨時や秋の長雨は雪割草を痛めます。できれば雨除けの棚などで、雪割草専用の管理ができる環境づくりが理想です。

知人の足場パイプで組んだ雪割草専用棚。陽当たりと風の通りが計算されています。寒冷紗の下でゆったりと新葉が完成しています。

・灌水
水やりも雪割草の栽培では重要なポイントです。まず開花期はまだ寒い早春です。午前中の暖かい日差しの時間に花に水をかけないように如雨露や水差しなどで時間をかけて灌水します。花が終わり、葉の展開が始まったら午前中にシャワーや蓮口などでたっぷりと水を与えます。この時、まだ寒い時期ですので落ちた花びらが残っていると低温多湿状態になり灰色カビ病が発生しやすくなります。開花後は必ず落ちた花びらを取るように習慣づけましょう。ゴールデンウィーク明けの頃から日差しが強く水温も上がってきます。この頃から灌水の時間を夕方から夜に切り替えて灌水後の水温の上昇を防ぎます。夜間の涼しくなる10月ごろからは再び朝の灌水に切り替えてたっぷりと灌水します。

・肥料
肥培は雪割草の作上げに欠かせない作業です。
まず、植え込みの際に元肥を入れます。これは、根に直接当たらない程度に根の周りにマグァンプKの大粒を3~5粒やグリーンサム・ポット・ベビーを2粒ほど入れればよいものです。
葉の展開が終わったころと秋の植え替え2週間後には置き肥をします。バイオゴールドや園芸用置き肥を3塊ほど置くと効果的です。この場合、なるべく葉にあたらぬように注意して鉢の縁に置きます。
雪割草には液肥の使い分けも有効です。ハイポネックスなどの季節によって使い分けできるタイプのものが使いやすく、開花後からはの展開が始まったら「観葉植物用」で葉づくりをします。葉の展開後から夏前には翌年の花芽形成が始まるので「開花促進用」の液肥を、秋には株の充実が始まるので「一般用」(原液)を使い分けると効果的です。

・病害虫
最も気にしたいのはネマトーダ(根コブ線虫)です。植え付けや植え替えの際に、根に節のような小さなこぶがたくさんついていたらネマトーダに侵されています。この場合、根のコブのついている部分をなるべくカットして、バイデートLなどの専用殺虫剤を根の周りに小さじ1杯程度散布します。幾つかの根コブ線虫薬剤がありますが中には薬害の強いものもあり、いまのところバイデートLが使いやすいものです。この薬は劇薬なので購入の際は印鑑や身分証明書などが必要です。
開花後ら花柄を落としたままにしておくと低温多湿で発生する灰色カビ病に侵されます。株元から葉が枯れてきたら要注意です。白いカビが次々とほかの鉢に移って大きな被害を受けることもありますので、必ず落ちた花びらが植物に触れない様こまめに取り除いてください。
葉の展開するころから炭疽病の発生も見られます。炭疽病は風の流れで蔓延しますので専用殺菌剤などの散布で予防します。
ウイルスに侵された株も時々目にします。展開後の葉に濃淡の色むらが出たり、葉がいじけて褐色になったものは要注意です。残念ですが感染防止のために処分してください。
年間を通してナメクジの食害も多く見られます。開花期の蕾や新馬の展開の頃に多く見られますので見つけたら捕殺してください。特に毛無しと呼ばれる無毛種は毛がない分食べやすいのか、せっかくできナメを食害されますので注意して観察してください。
梅雨の頃から葉の裏にハダニの発生が見られます。葉を地に伏せる雪割草はなかなか葉裏に薬剤散布が出来ません。葉に褐色のシミが出来たらハダニを疑ってください。ダニはダニ専用の薬しか効果がありません。また、続けて使用すると耐性が付きやすい薬ですので売り場の方と相談して使い分けてください。

根に小さなこぶが見つかったらネマトーダです。ネマトーダのついている部分をカットして植え込んでください。植え込みの際にバイデートLなどをまぶすとネマトーダ退治に効果的です。

ウイルス病に侵された雪割草です。葉に不規則な色むらが出ています。ウイルス病が見つかったら周りの鉢から感染するので残念ですが処分した方が得策です。

「地植えにしてみよう」
雪割草は環境が合えば地植えも可能です。植え込む場所はなるべくなら自生地の環境に近づけたいので、少し斜面で落葉樹の根元などが良いでしょう。植え込む際に、雪割草が植わっているポットや鉢植えよりも2回りほど大きく掘って、下に元肥を入れてから植え込むとよいでしょう。植え込んだ数日はたっぷりと冠水して、用土と株が馴染んできたら基本は雨任せで、乾きの多い時期には灌水してあげればよいでしょう。落葉樹の周辺で春は午前中は明るく午後は半日陰、夏は日陰になる場所を探してください。落ち葉はそのまま防寒になりますので開花期まで敷いておきます。植え込む場所が少し斜面なら更に良いです。環境が合えば自然実生でタネが落ちて成長します。少し勢いが落ちてきたら天地返しをして植え替えてあげると良いでしょう。

雑木林の斜面に植えこまれた雪割草です。雨任せで元気に育っています。

 

「雪割草・年間スケジュール」
以下では当園での年間の毎月ごとの栽培方法をご紹介いたします。
あくまで参考程度にしかならないものですが・・・「こんなことをやっているんだ」・・・程度にご覧いただければ幸いです。

1月
潅水:午前中に与えるが、幾分乾かし気味の潅水で良い。ただし、植え替え始めたものは2週間ほど毎日たっぷりと潅水する。 肥料: 液肥はハイポネックス一般用(ブルー)を規定倍率で月に1回程度、カイワレのみ月2回与える。 薬剤:ナメクジによる花びらの食害に注意。暖房の中ではアブラムシの発生に注意。 作業: 引き続き植え替え。カイワレのポット上げ。早く咲かせるものや展示会用の鉢花は暖房施設に移動して加温して早く咲かせる準備をする。開花後の選別用のラベル作り。 その他:タイミングを見計らって前半にタイベックを明けて十分な日差しを採る。ただし、交配親のハウスは今月いっぱいは暗いままで良い。

2月
潅水:午前中で乾き始めたらやや多めに与える。なるべく花にはかけない。
肥料:全てにハイポネックス一般用(ブルー)を月2回規定倍率で与える。
薬剤: ナメクジによる花びらや新芽の食害に注意。
作業:開花する順番から色・芸を仕分けする。展示会の準備。昼間と夜間の温度・通風の調節。
その他:発芽してくるカイワレを日に当ててがっしりと大きく作る。交配用のタネ袋を作る。

3月
灌水:午前中で乾き始めたらやや多めに与える。なるべく花にはかけない。
肥料:全てにハイポネックス一般用(ブルー)を、未開花苗にはグリーン(観葉植物用)を月2回規定倍率で与える。
薬剤:花が散る頃にセイビア散布で灰色カビ病予防。花につくアブラムシに注意する。
作業:開花する順から色・芸の仕分けをする。初花の開花と未開花の仕分け。花の終わったものから順番に花茎を切り取る。散った花びらを取って株元を清潔に保つ。
その他:発芽してくるカイワレを日に当ててがっしりと大きく作る。交配。

4月
潅水:午前中で葉が展開し始めた頃からたっぷりと与える。ただし乾きにくくなっているので潅水後は乾きめになってから次の潅水で良い。
肥料:葉が展開し始めたら葉を作るので 全てにハイポネックス観葉植物用(グリーン)を2週間に1回規定倍率で与える。
薬剤:葉が固まり始めたら(葉に艶が出始めたら)ストロビー散布で炭そ病の予防。葉の固まり始めたものからウイルスのチェックで病状のあるものは破棄する。作業:交配した種子の袋かけ、採種。早いものは種蒔き。秋に出来なかった鉢の植え替え。
その他:花が終わる頃から温度と通風の管理を更に良くしたい。
月末頃からは陽射しが強くなる日は寒冷紗をかけると葉焼けが防げる。

5月
潅水:前半は午前中に葉が固まるまではたっぷりと与える。ゴールデンウィーク以降は暑くなりそうな日を見計らって徐々に夕方の潅水に切り替え。
肥料:引き続き葉が固まるまでは全てにハイポネックス観葉植物用(グリーン)を2週間に1回規定倍率で与える。葉が固まり中心に止め葉が出てきた頃から花芽形成が始まるので、ハイポネックス開花促進用(ピンク)を2週間に1回規定倍率で与える。葉の固まったものはバイオゴールドの追肥をする。カイワレや、昨年植え替えられなかった蒔き床も夏前までの置き肥。
薬剤:新葉のウイルスチェック。アブラムシやハダニに注意。
作業:種蒔き。葉の固まったものから順番に、安全を確認して古葉切り。前半は秋に出来なかった鉢の植え替え。古い蒔き床(セルフ)の植え替え。
その他:葉が固まってきたらタイベックを掛けて日陰にする。今月から換気扇を常に回す。

6月
潅水:乾きにくい時期なのでたっぷり潅水した後は乾かし気味が良い。根も伸びているので乾燥にも強い、ただし、春植え替えの鉢や植え替えたばかりの古い蒔き床苗は多めの潅水がよい。
肥料:今月末まではハイポネックス開花促進用(ピンク)を2週間に1回規定倍率で与える。
薬剤:梅雨に入る頃から潅水が少なくなるので殺ダニ剤でハダニ予防。ナメクジやヨトウムシの食害に注意。梅雨前に一度殺菌剤の散布。
作業:後半からポット苗の表土替え開始。古い蒔き床(セルフ)の植え替え。古葉切り。

7月
潅水: :乾きにくい時期なのでたっぷり潅水した後は乾かし気味が良い。
ただし、植え替え中の古い蒔き床はやや多めの潅水がよい
(表土が変色を始めた頃から少なめにする)
肥料:特にやらない。
薬剤:殺ダニ剤を1~2回別なものを使う。夏前に1度ストロビー散布で炭そ病や葉焼けの予防。
作業: 古い蒔き床(セルフ)の植え替え。ポット苗の表土替え
その他:梅雨の晴れ間の温度の上昇に注意。暑くなりそうな頃からタイベックの下に黒の寒冷紗を掛けて日陰で涼しい環境を作る。

8月
潅水: :乾きにくい時期なのでたっぷり潅水した後は乾かし気味が良い。
肥料:やらない。
薬剤: 殺ダニ剤を1~2回別なものを使うが特に気になるもの以外はいじらない。葉焼けに注意。痛みやすい時期なので毎日の観察が大事。
作業: ポット苗の表土替え。後半、気候を見て可能なら植え替え開始。
その他:鉢やポットの乾き具合を考慮し臨機応変に対応する。来春苗のチェック(リスト用)。

9月
潅水: :夏の延長で乾きにくい時期なのでたっぷり潅水した後は乾かし気味が良い。ただし、植え替え始めたものは2週間ほど毎日たっぷりと潅水する。
肥料:植え替えたものは2週間後からバイオゴールドの置き肥をする。後半からハイポネックス一般用(ブルー)を規定倍率で与える。
薬剤:バッタやヨトウムシの食害に注意。
作業:鉢植えの植え替え・株分け開始。今年発芽のカイワレのポット上げ。
その他:来春初花苗のリスト作り。

10月
潅水:前半は夕方、後半は午前中に乾き始めたらやや多めに与えるが、潅水後は乾きめになってから次の潅水で良い。ただし、植え替え始めたものは2週間ほど毎日たっぷりと潅水する。
肥料: 植え替えたものは2週間後からバイオゴールドの置き肥をする。ハイポネックス一般用(ブルー)を月2回規定倍率で与える。
薬剤: 葉の傷んだものは整理する。バッタやヨトウムシ、ハマキムシの食害に注意。
作業:植え替え・株分け。カイワレのポット上げ。
その他:秋の気候を感じたら黒寒冷紗を外して少し明るくする。後半頃から換気扇を夕方までとする。

11月
潅水:午前中に乾き始めたらやや多めに与えるが、先月より幾分乾かし気味の潅水で良い。ただし、植え替え始めたものは2週間ほど毎日たっぷりと潅水する。
肥料: 植え替えたものは2週間後からバイオゴールドの置き肥をする。ハイポネックス一般用(ブルー)を月2回規定倍率で与える。後半には今年の蒔き床をチェックして発根が始まったらハイポネックス一般用(ブルー)を月2回規定倍率で与える。
薬剤:ポット苗は葉の傷み出す時期なので一度ストロビーを散布して炭そ病の予防をする。
作業:引き続き植え替え。カイワレのポット上げ。
この時期以降植え替えのものは冬季凍らせない。
その他:寒くなる時間を見計らって換気扇やビニールの開閉時間を調節する。

12月
潅水:午前中に与えるが、幾分乾かし気味の潅水で良い。ただし、植え替え始めたものは2週間ほど毎日たっぷりと潅水する。
肥料:植え替えたものは2週間後からバイオゴールドの置き肥をする。液肥は月に1回程度、カイワレのみハイポネックス一般用(ブルー)を月2回規定倍率で与える。
薬剤:ナメクジやヨトウムシの食害に注意。根腐れや芽の腐敗に注意。
作業: 引き続き植え替え。カイワレのポット上げ。
この時期以降植え替えのものは冬季凍らせない。
その他:天気予報に注意して空風の防止や暖房のタイミングに注意する。

総合
小まめに目的意識や疑問、向上心を持って毎日の観察を心掛けたい。植物は足音で育つので毎日見てあげることが大切。
常に病害虫や、表土の変色、苔の発生、雑草、乾き具合、風の流れ、日差しなどに気を配る。
新葉に置き肥がぶつかって痛んでいたらすぐに置き肥の位置を修正する。
親鉢は必ず葉受けリングを掛ける。
植え替えや株分け、古葉切りなどに使う器具は必ずレンテミンで消毒する。
植え替えの際はバイデート粒剤を根の周りに混入する。
強風の翌日はビニールや寒冷紗等の痛み、捲れ上がりに気を配り注意をする。
冬場は凍結防止の暖房機を時折確認して事故や故障を未然に防ぐ。
冬場に風の乾いてる日や突風の時等はハウスの開け閉めを迅速に対応する。
夏場は寒冷者に隙間が無いかどうかをマメに確認する。
夏場は作場を色々な角度からみて風の動いている場所と溜っている場所を常に確認したい。